Activity2014年度の活動内容

ベトナム・プックラム国際総合病院にて、
枯れ葉剤被害者の子ども達に車椅子を(2014年7月)

日本友愛協会鳩山由紀夫理事長は、昨年10月ベトナムハノイ市を訪問した。
その際、枯葉剤の影響で障害を負ってしまった子供達を治療する「プックラム国際総合病院」を訪れ、現在も残る枯葉剤の影響を目の当たりにした。

病院の治療に必要な設備は何とか整ったものの、ベッド、車椅子などまでは整える余裕がないという状況を知った。
病院での治療、手術といっても完治ではなく、最低限社会生活を送る上でのハンディを軽減することを目的としており、先は長い。

子供たちにとって、手術を受けた後も社会生活を送るために車椅子は無くてはならないもので、その訓練も必要である。日本友愛協会として、せめて出来ることをと、急遽「車椅子を贈る」プロジェクトを実行に移した。理事長の言葉でご報告します。

プックラム国際総合病院

昨年の10月下旬、友人の薦めでベトナムのハノイ郊外にあるプックラム国際総合病院を訪れた。
国際病院とは名ばかりの小さな民間の病院であった。
ここは枯れ葉剤で被害に遭った子どもたちを治療するための病院である。
私財を投じて手足に障がいを持つ子どもたちの治療を行っているとのことであった。

ベトナムではベトナム戦争中に米軍によって撒かれた枯れ葉剤(ダイオキシン)の影響で、未だに四肢や脳、五感などにさまざまな障がいを持つ子どもたちが何万人といる。
ダイオキシンによって遺伝子に異常を来たし、三代にもわたって苦しんでいる人たちや、土地や水がダイオキシンで汚染されている地域で生活しているために、身体が冒されてしまった人たちなど病気の原因はさまざまのようである。
これからも障がいを持つ子どもたちがたくさん生まれてくるのである。

せめて社会生活上のハンディを軽減したい

早速いくつかの病室を訪れた。
小学校低学年から高校生くらいまでの歳の子どもたちが、ベッドの上にいた。
手術が終わった子たちもいれば、これから手術を待っている子たちもいた。
ベッドと言っても、マットレスのようなものはなく、鉄板の上にじかに寝かされているといった状態だった。
みんな手や足が正常ではない形に曲がっていた。
矯正の手術であるが、手術後も矯正していかねばならないので辛そうであった。
手術によって完璧に治すというより、少しでも社会生活上のハンディを取り除くことがこの病院の使命なのだと理解した。
この病院は手足の手術が中心で、脳などより重い病気の子どもたちはここには殆どいなかった。
その後、この病院のロン理事長との話の中で、ささやかな私の寄付とは別に、私ども日本友愛協会がどんなお手伝いが可能かを伺った。

車椅子の必要性

そこで車椅子の話になった。
そう言えば病院内に車椅子はなかった。
歩けない子どもは病院までも来られないとも伺った。
そこで、車椅子を寄贈することができないかと考え、同行していた芳賀秘書に指示をし、萩原直三氏にその場から電話を入れた。
萩原氏は、障がい者(児)の支援を行っているNPO法人日本アビリティーズ協会の副会長をしており、車椅子の寄贈に関しては、「海外へは過去に例もある」し、国内では「現在も展開中」とのことだった。
詳しいことは帰国後に詰めることとして、ロン理事長に車椅子の寄贈を約束した。
大変に喜んでいただいた。

帰国後、萩原氏の尽力もあり、この話に日本アビリティーズ協会の会長であり、その実証企業体であるアビリティーズ・ケアネット株式会社の会長でもある伊東弘泰氏が大変に関心と好意を寄せてくださった。そしてアビリティーズ・ケアネット社のほうで50台の中古の車椅子を用意してくれることになった。
かなり新品に近い車椅子を全国から取り寄せていただき、それらを修理していただいた。
シンプルなものからかなり高価な車椅子もあり、それぞれが新品同様に変身した。

伊東会長のご指導で、社員の方々が時間外で働いてくださり、丁寧な修理を行なってくださったことに心から感謝をしたい。
日本友愛協会として 既に車椅子は倉庫を出ており、7月中にはベトナム側に到着する手筈となっている。車椅子の背には、日本友愛協会のロゴマークを入れた。
YUAIという言葉と、友愛の理念を伝えるため、『友愛理解のために』も英語版を作成し、車椅子と一緒にプックラム国際病院に贈ることとした。
適当な時期にベトナムで贈呈式を行いたいと思っている。
子どもたちが元気に車椅子を乗り回してくれることを願っている。

今なお残る枯れ葉剤の影響

なお、ベトナム全土に亘って濃淡の別はあるが、枯れ葉剤によるダイオキシンが未だに土地を汚染している。
ダイオキシンの汚染除去を積極的に行わなければ、本質的な解決にはならない。
ベトナムはこれから農業に力を入れたいと言うが、汚染土壌の上に作物を作ることは危険なしとしない。
アメリカは漸く数年前からダイオキシンの除染に取りかかったと聞いているが、未だに遅々として進んでいないと考える。

過日、3月18日にベトナムのチュオン・タン・サン国家主席が来日された折に、迎賓館で会談を行った。
この際に、「農業改革を行うためには、土壌がクリーンでなければならない。
日本は放射能の除染の必要性から除染に関しては高い技術を持っているので、ダイオキシンの除染に関して協力できると思う。ご一考されたい。」と申し上げた。
サン国家主席はノートを取りながら、高い関心を示してくださった。
日本のODAでこのような協力が進むことを念じている。

編集部註: 萩原直三・芳賀大輔の両氏には、日本友愛協会の評議員を永年に亘り務めていただいております。

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