Activity2015年度の活動内容

北京理工大学における「友愛」講演会開催

〜日本語学科の学生を中心に多くの学生が参加 日本側大学生による講演も公表〜 
鳩山由紀夫理事長のビデオレターに歓声

九月二十一日、二十二日の二日間に亘って、日本友愛協会国際交流事業の一環として、北京理工大学に於いて「友愛後援会」が開催された。海外に於いての「友愛講演」は、本協会にとっても新たな歴史が刻まれたことになる。
同大学は、北京市内二ケ所のキャンパスに三万人を擁する大学で、それぞれのキャンパスの周辺は、付属幼稚園を含め、小学校、中学校、高校もあり、学校関係の人々が生活するすべてが揃っており、一つの町を作り上げている。同大学には、日本語学科がある、今年度から三ケ年計画で、日本語による受講感想文を基に、奨学金を提供する。
今回は、「友愛雑感」「友愛理解のために」を基に、川手常務理事による「友愛」の解説を中心に、茶道文化を伝える講演、日本側大学生による「同世代情報交換交流」などが行われた。
次年度は、鳩山由紀夫理事長も北京に赴き「友愛講演会」を開催する予定である。担当された周晨亮教授、郭玉傑教授のお二人に寄せていただいた所感文を掲載し報告としたい。

友愛のもとで「百年樹人」を
  —— 周晨亮

(北京理工大学外国語学院日本言語文学科北京理工大学外国語学院日本言語文学科長 北京理工大学大学院日本言語文学専攻長)

「袖振り合うも他生の縁」。
 二〇一四年の仲春、理工大のOBである羊強振さん(中国国際青年交流センター)の紹介で、北京理工大学で学生交流を終えた、日本友愛協会のご一行(羽中田さん、川手祥右君、高橋佳大君)にご挨拶をする機会に巡り会えました。
 昼食後一行は怱々に空港へ立ち、私も急いで講壇に向かいました。袖振り合うような出会いが、多くの方々とのご縁の呼び水となりました。
 同じ年の夏、古巣の東京工業大学に客員研究員として赴いた際、日本友愛協会に一言ご挨拶と思い恐縮ながらもご連絡差し上げたところ、早速ご快諾を頂き、七月二九日に表敬訪問を行いました。川手常務理事による鳩山会館のご案内という幸運を蒙り、友愛へのその信念と自負に深い感銘を覚えました。
 更に鳩山由紀夫理事長にも貴重な時間を割いて戴き、赤坂の事務室にて念願の面会が叶いました。鳩山理事長の「大人(だいじん)」たる風格と上品な振る舞いに敬服すると同時に、鳩山家三代百年高邁な理想の一斑を垣間見ました。友愛協会の青眼を賜って、翌年の正式な訪問をその日にお約束いただきました。
 そして二〇一五年九月二十一日、大学設立七五周年の際、学院の会議室で李京廉学院長が川手常務理事と友愛奨学金設立の契約書にサインを交わし、学院の歴史にこの記念すべき一ページを刻むことが出来ました。
 二十一日、二十二日二日連続で、川手常務理事がご講演された際通訳として勤めましたが、言葉の伝達は出来ても、その熱意をどうしても上手く伝えられず慙愧に耐えませんでした。 六〇年以上友愛協会と共に歩んできた川手常務理事の、余人に真似できない本物の気迫と情熱が満ち溢れ、そのお言葉は終始若い学生たちの心を掴んで離しませんでした。
 過去多くの方々を理工大で迎えましたが、あの日のように熱気が教室全体を包んだ情景は嘗てありませんでした。
 「人生最高の日」と川手理事が朗らかに宣言されましたが、侍っていた私自身も、友愛の真意を一身に体現し得る方との忘年の縁に、思わず感謝を捧げておりました。
 二十一日の午後、羽中田さんが大学院の一室に茶室「無境庵」を作り上げ、学生たちにお茶を振舞われました。
 本格的な茶道具の数々を理工大まで運んでくださることなど、並大抵の手間ではありませんが、客人を思う真心こそ茶道の神髄なのでしょう。羽中田さんの凛としている茶人の姿、温かい友愛の情がおもてなしを受けた学生たちの心を強く打ちました。
 鳩山理事長の映像が教室に映った瞬間、四辺が歓声に包まれました。その場にいた学生全員にとって一生の思い出になったのに違いありません。
 有難く頂いた鳩山一郎先生の直筆揮毫も、北京理工大学の宝として後世へ大事に伝えていきます。友愛の種は確実に撒かれました。
 ……………
 二十二日の午後、川手君と高橋君による発表は実に見事でした。PPTの作りが非常に丁寧でかつレイアウトも完璧で、弊学の学生も見習わせたいものだと感じました。
 北京で数多くの日本人留学生と接してきましたが、両者とも育ちの良さが滲みながらも若者の元気さを失わず、格別に輝いていました。「桃李不言、下自成蹊」。やはり友愛の体現者である川手常務理事のご薫陶の賜物と見て間違いないのでしょう。
 中国には「十年樹木、百年樹人」(十年かけて木を育て 、百年かけて人材を育てる)という諺があります。実際、川手常務理事と友愛協会の方々の手によって、十年も経たずに中国の荒野が森林に変えられた奇跡を写真で拝見し、賛嘆の念を禁じえませんでした。このたびのご訪問によって、若者を未来の日本を担える人間として育てていく驚嘆すべき友愛協会の「樹人」の力にも気づきました。
 今後、還暦を過ぎた友愛協会と共に「百年」を期に、北京理工大学外国語学院は世界の国々に貢献できる人材を育成していく所存ですが、ぜひご協力頂けることを切に願いながら、協会の方々との再会を一日千秋の思いで待ち望んでおります。

友愛の輪郭
  —— 玉傑

(北京理工大学日本語学科教授)

 北京の一番きれいなシーズンであり、北京理工大学創立七十五周年というめでたい日でもある九月二十一日に、我々は日本友愛協会常務理事川手正一郎様ご一行を理工大中関村キャンパスにお迎えすることができました。
 この度の友愛訪中団は川手様始め、事務局員羽中田元美女史と、二人の?バイタリティあふれる若者も一緒に来てくださいました。 私は以前より川手さん、羽中田さんに関する様々な話を、中日青年交流センターの羊強振君から彼自身の感動も含めて伺っていました。
 川手さんが癌にかかって余命一年と宣告されたにもかかわらず、一年後に癌が奇跡的に完治したこと。その情熱と信念の迫力。茶道と生花に精通するだけでなく日本文学や歴史も熟知していて「才気あふれた明るい女性」羽中田さんのことなど。ですから、ご一行のおいでをずっと前から期待しておりました。
 二日間にわたるご訪問と四回のご講演はいうまでもなく大成功でした。 二日目の川手さんの自叙伝の一部、長男として家業を継ぐべきだったのですが、東京に出ることを果敢に決める。年商七十億の会社を設立後、二十五億の工場を買い取る。癌にかかって余命一年と宣告されたが、放射線治療を捨てて自由にすることを決める。聴講者たちは、皆、川手さんのこの伝説みたない人生に深い感慨を覚えました。
 二十一日の午後、羽中田さんが茶道作法を実演してくださいました。本物そっくりの茶室、鳩山一郎様ご親筆の「友愛」掛け軸、きれいなお花と茶碗、羽中田さんの優雅なしぐさ、いずれも学生たちの心を惹き、床に座っていた人たちが脚の痺れを忘れてしまうほど集中して講演を聴きました。茶道具を鑑賞しながら羽中田さんの心を込めて点てたお茶を飲むことは、学生たちにとって本当に珍しい体験であり、一期一会という茶道の精神に対する理解を深めることもできました。
 お二人の若者が図表や写真などを駆使して、高橋佳大さんは日本における就活体験を、川手祥右さんは、ご自分が設計した作品を同じ年齢の学生たちと分かち合いました。
 今回担当したスタッフとしてもう一つ深い感銘を覚えたことがあります。それは友愛の皆様の仕事に対する真面目さと勤勉さです。ご来訪の一ヶ月前に羽中田さんはすでに講演当日に使う文字資料を送っておいてくださいました。また今回の講演のために、四人の方が日本から十二箱もある資料と茶道具を持ってきて、講演前日に講演現場まで運んできてくれました。中には川手さんの書かれた『友愛雑感』そして同じく川手さんの書かれた『友愛理解のために』が、ぎっしり入っていました。特に『友愛理解のために』は中国語に訳されてあり、心配りに感動しました。二十一日講演当日、午前中川手さんのご講演終了後、午後の茶道実演の準備をするために、羽中田さんと二人の若者が、食事もせずすぐに午後の茶道実演の教室に駆け付け、準備を始めました。準備を一時間半も続けました。
 その中で一番感銘を受けたのは、鳩山由紀夫理事長が学生たちのためにわざわざ作っておいてくださったビデオです。
 理事長は元日本国総理大臣という特別なご身分で、今回は北京理工大学をご訪問なさることができませんでしたが、理事長が今回の茶事のお客さんとして、ビデオの中でご挨拶をしてくださいました。理事長の笑顔と穏やかな声がすぐに学生たちとの距離を無くし、元総理大臣とは思えないほど親しみを感じました。
 理事長の友情あふれるご挨拶で、熱烈な拍手が教室を沸かせました。理事長、学生たちの拍手、聞こえましたでしょうか。
 理事長は、近いうちにぜひ北京理工大学を訪問したいと仰いましたが、その日が一日も早く来ることを心より切に願ってやみません。

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