Activity2017年度の活動内容

陝西省麟遊県・遼寧省朝陽市北票市二カ所で植林活動
北京にて友愛奨学金授与式開催

第28次植林訪中記 鳩山由紀夫

一路西安に

継続は力なり。そう信じて今年も友愛協会は中国で植林事業を行った。
二〇〇〇年から小渕基金を活用した植林事業を行っているが、その総面積は既に文京区、千代田区、豊島区を併せた面積を超えている。気の長い事業ではあるが、植林地の自然生態が大きく好転していると伺っている。嬉しいことである。
四月八日に私ども夫婦と川手常務理事、羽中田事務局長の四名で羽田を出発。北京で中国国際青年交流センターの洪桂梅副主任と羊強振科長と合流して再会を懐かしみ、昼食の後シルクロードの都西安に飛んだ。
夜は陝西省青年連合会主催の夕食会で明日の植林の成功を祈り、みなで地元の五〇度以上もある白酒を楽しんだ。

科学的農場見学

翌朝は八時過ぎにバスで宝鶏市麟游県に向かう。
生憎の雨である。二時間半くらいと言われていたが、着いたのは十二時近く。中国はとにかく広い。
麟游県ではまず太陽光を利用して、野菜などを大量に巨大な温室で栽培している企業を訪れた。太陽パネルの設置には政府が補助金を出しているようだが、コンピュータ制御されている温室の規模にはびっくり。
現在日本ではソーラーシェアリングが画期的なシステムとして注目を浴びている。これは畑や水田の上に適当な間隔で太陽パネルを敷く方法であり、作物を育てながら売電できるシステムである。しかも作物は収穫量がより多くなると言うから不思議である。こちらのほうがはるかに安価で効率的であり、麟游県のシステムは高度であるがそれだけ無駄が多いように感じた。

雨天の友愛

麟游県の植林事業の起工式は昨年と同じ場所で行われた。
雨の中、遅れた私たちを子どもたちやボランティアの方々が待っていてくださった。有難かった。
私はそこで「雨天友愛」の話をした。青天の時より雨天の時に集まってくれる友ほど真の友であると言うことを話した。川手理事は、若者たちに向かって「元気、やる気、本気」で事を成せと激励した。その後、昨年に引き続き同じ山の斜面で植林を行った。なんとか一〇本植えることができた。みんな運動靴やズボンが泥まみれになってしまったので、西安のホテルに帰る途中に近くのおばあちゃんの庭先に寄って泥を落としたが、それでもバスの中は泥だらけとなった。それにしても去年は舗装も無かった山道が、一年後にはしっかりとした舗装道路になっていたのには驚いた。中国の道路や高速鉄道などのインフラ整備のスピードには恐ろしさを感じるくらいである。

広い中国を北上

翌日は西安から遼寧省の瀋陽への移動日。午前中は西安の大雁塔を訪れた。
唐の時代に玄奘三蔵法師がインドから持ち帰った経典や仏像などを納めるために高宗に申し出て建立した七層の塔である。多くの観光客が訪れていた。
午後の便で瀋陽に向かい、瀋陽では以前も泊まらせていただいた友誼賓館で遼寧省の方々と夕食会を行った。昨年太極拳のような健康体操、八段錦を教えてくれた共青団遼寧省委員会の趙紅巍書記にお会いし、懐かしさが込み上げた。

瀋陽から北票市の現場へ

翌十一日は再びバスで四時間ほどかけて北票市に到着し、植林事業の起工式に出席した。
植林地は北票市の中でも田舎のほうなので、小さな町を通り過ぎる時、町の人たちは外に出て不思議そうに私どものバスを眺めていた。
起工式の場所には小学生や地元のおじさんおばさんたちが既にたくさん集まっていた。
気温が低くしかも風速十メートルはあるかと思うほどの風が吹いており、体感温度は凍りつくように寒かった。それでも子どもたちはずっと起立の姿勢で私たちの挨拶を聞いてくれていた。感心した。「雨天友愛」だけでなく、「寒天友愛」もあることを肌で感じた次第である。
この地は既に殆ど植林を済ませてあったので、私どもは儀礼的に数本を植えたのみであった。
集まった子どもたちや村の方々に友愛のシールとボールペンを差し上げた。

博物館と空港と

起工式の後、北票市博物館を訪ねた。北票市や遼寧省からは三、四億年前の恐竜の化石がたくさん発見されているのである。中でも魚の化石は無数と言ってよいほど掘り出されている。お土産に魚の化石を頂戴したが、空港の売店でも売っていたのには驚いた。
夜は朝陽市政府の張東群副市長主催の宴を楽しませていただいた。張副市長からほとばしるオーラは彼の将来に期待を抱かせるものだった。北票市は朝陽市の中にある小さな市なのである。

北京での表彰式

十二日も早起きして八時半の便で朝陽市から北京へと向かった。かつて竹下首相の時代に日中友好の証として建てた二十一世紀飯店で、国際青年交流センターの馬興民主任が主催する昼食会の後、北京理工大学の日本語作文コンテストの優秀者に贈る友愛奨学金の表彰式を行った。
みなさんの日本語学力はなかなかたいしたもので、最優秀の女の子はまだ大学二年生だった。彼らのような優秀な人材が将来日中友好のために活躍することを心から願う。
最後の夜は全青連副主席の汪鴻雁女史のお招きの夕食会を楽しんだ。
彼女自身は南アに行くための予防注射を打ってしまったので飲めないとのことであったが、わざわざご自身の茅台(マオタイ)酒を持ってきて下さった。彼女はなかなか聡明な方である。トランプ大統領は中国がもっと圧力を北朝鮮にかけなければいけないと言っていると申したら、これ以上中国が北に圧力をかけたら、北朝鮮からこちらにミサイルが飛んできてしまうとの返答があった。

李小林会長と再会

十三日の朝、事務所が引っ越しの最中だという「中国国際青年交流中心」にお伺いし、友愛の事業の手助けをしてくださっているスタッフの皆さんとお会いした。元気溢れる皆さんに、この方々なら大丈夫と納得した次第だ。
午後の便でみな元気に羽田に帰り着いたが、帰国の直前に、とても多忙な李小林対外友好協会会長との面談が叶い、お昼をご馳走になりながら旧交を温め合うことができて幸せだった。
彼女の、「私は共同通信に怒っています。私の訪米を習近平主席の訪米の地ならしとでたらめを書いたために、私は訪米できなかった」との冒頭の言葉に驚いたが、さもありなんと、私の総理時代とだぶらせて聞いていた。実り多き訪中であった。

第二十八次植林訪中及び友愛奨学金授与式訪中日程

四月八日(土)羽田・北京経由・西安/北京:西安約一〇〇〇キロ・空路
四月九日(日)西安・麟遊県/往復約三〇〇キロ・マイクロバス
四月十日(月)西安・瀋陽/一七〇〇キロ・空路
四月十一日(火)瀋陽・北票市/約三〇〇キロ・マイクロバス
四月十二日(水)北票市・北京/約五〇〇キロ空路
四月十三日(木)北京・羽田

日本友愛協会が担当した植林面積は文京区・千代田区・豊島区の面積に匹敵
日中緑化交流基金が実施した植林総面積は、約六万七千ヘクタール。東京二十三区を上回る

中国国内を三八〇〇キロメートル移動。桜の花咲く古都から、凍土がやっと溶けた北の地域へ、そして柳絮舞う北京へ。中国は広い!

雨ニモ負ケズ
陝西省宝鶏市麟遊県 集まったボランティアの子どもたち、村人たちと山の上まで行って植林した。下りてきたときは足はどろんこ、顔も土だらけだった 大勢の方々が、植林活動に協力してくださっている

風ニモ負ケズ
遼寧省朝陽市北票市 マイクが倒れてしまうほどの強い風が吹き続けている中、子供達はきちんと整列して話を聞いていた。 雨天の友愛のみならず「寒天の友愛」と理事長が感激

日本友愛協会 活動詳細
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